トポロジカルデータ解析と熱伝導率

Published: Jul 1, 2022 by Emi Minamitani

紆余曲折を経てようやくパーシステントホモロジーを使ってアモルファスの熱伝導率を解析する論文(第一弾)がJCPに出ました

かなり苦労した&ボリューミーな内容なのでめっちゃ嬉しいです。 パーシステントホモロジーで環状の構造の特徴を捉えてそれを数値化したら、熱伝導率を推測できるよねってのはアモルファスカーボンの論文と一緒なんですが、こっちの論文では、 その環の部分に力定数の不均一性が強く出ていること→それによってフォノンの局在性が変わること→それが熱伝導に効いてきている、という一連の物理的な流れみたいなところまで議論できたので、 やってみたらできた、ってのよりは少し深い話になっていると思います。 気に入った内容だったのでプレスリリースも出しました。

トポロジーってキーワードが入っていたのが興味を持ってもらえたのか、 いくつかの媒体でも取り上げてもらいました。 (日経電子版 TechPlus Phys.org)

文面とか書くのがけっこう大変でしたが、地道に広報するのも大事ですね。

アモルファスの構造にはトポロジカルな特徴があるのは知られていたので、 トポロジカルデータ解析が何かしら使えるだろうとは思っていましたが、 物理量が思ったより精度良く解析できたので、パーシステントホモロジーの凄みを実感しています。

次回作として、もっと機械学習との組み合わせに踏み込んだ仕事も一旦まとめてArxivに上げました。

トポロジカルデータ解析&機械学習は楽しいので、これを使った複雑材料研究をどんどん進めていきたいと思います。

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